自宅学習を効果的に行う工夫について

2020.6.8
 国際教育交流センターアドバイジング部門では、自宅学習についてのいくつかの提案をしています。
 こちらからご覧ください。

長期的ストレスに取り組む

2020.4.21
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によって、外出の自粛を要請され、本学においても新年度の講義がオンラインに移行しています。これまで日本が経験してきた災害は、地震や台風など短期間のものでしたが、長期化する慢性的なストレス状況、それも世界同時多発的なものは、どの近代国家にとっても未経験です。大学に入ったばかりの新入生も、これまでの大学生活を送ってきた在学生も、戸惑っていることと思いますが、ある意味、世界中が戸惑っています。
 不安定な社会の中で生活を守ることは大変なことです。それでも、起こりうることを整理して、取りうる方策を考えることで、生活の指針とすることはできます。そのような問題と対応を以下に挙げてみたいと思います。

1.感染の恐怖

 たとえば、感染症そのものの恐怖があります。咳が出る、身体がだるい、鼻がむずむずするなどちょっとした身体の変化にも敏感になるかもしれません。自分が人を、特に大切な人たちを、感染させてしまうかもしれないという心配も抱えやすくなります。その結果、感染のリスクに気を張って、それによって疲れてしまい、感染のリスクに鈍感な人に怒りが向くかもしれません。
 これらに対処する方法の1つは、適切な情報によって、基本的な対応を知ることです。たとえば、以下のサイトを参照できます。  逆に、SNSや人づての情報を鵜呑みにしないことも大切です。
 また、適切な情報であっても、それを完璧に行おうとすると自分も周りの人も苦しくなっていきます。そうなっていないかを振り返り、苦しくなっている時には、いったん情報を得ることから離れて、心と身体を休めることも必要なことです。

2.感染をめぐる忌避

 感染の恐怖は、差別感情も高めます。感染した人を忌み嫌う感じを自分が持つかもしれません。逆に(名古屋市もそうですが)感染拡大地域から移動、帰省した時に忌み嫌われる経験を持つことになるかもしれません。そうではないとしても、自分が人を避けたり、人から避けられたりするのではないかというような不安を持つこともあるかもしれません。
 第一に、今の時期に移動は避けましょう。外出自粛が長引けば帰省したくなる気持ちは分かりますが、感染拡大を止めるのは一人一人の行動です。第二に、感染についての恐怖と感染した人に対する差別的見方を区別しましょう。自分が人に差別的感情を向ける場合でも、人から差別的感情を向けられている場合でも、この区別は重要です。第三に、自分が差別的な態度を持っている場合には、自分の中にしまっておきましょう。急にそれをなくせと言われても無理なことですが、せめて黙ってしまっておきましょう。逆に、人から差別的な視線を向けられた時には、それを無視して、差別的でない意見や味方をしてくれる人、そうした情報に触れることが必要です。差別的な言動を前にして、孤立することはトラウマをもたらします。味方となるような考え方を見つけておくことは、とても大切なことなのです。

3.自宅にこもること

 感染拡大の防止のために、外出の自粛が要請されています。そのため、自宅や自室にこもることが増えているかもしれません。自由が規制されているということ、当たり前の活動が出来ないこと、狭い空間で(場合によっては誰かと)長時間過ごすこと、などは閉塞感や息苦しさを感じさせ、気持ちが落ち込むこともありえます。買い物やバイトなどで外に出ることに罪悪感を覚えるかもしれません。
 人の少ない時間に散歩をすることで、閉塞感から抜け出し、身体を動かすことは、リフレッシュの1つの方法です。窓を開け、外の空気と日の光を入れることも大切です(防犯には十分注意しましょう)。室内でストレッチや軽い運動をすることで身体の調子を整えると、心の調子も整うことがあります。料理や創作なども良いかもしれません。やむを得ない外出はマスクの着用や人と距離を開けること、手洗いうがいを忘れないこと、服を玄関で着替えることなど、予防策を取って行いましょう。びくびくするよりも、やむを得ないことで予防もしていると背筋を伸ばすことも、心を守る手段です。
 時には同じ空間にいる家族や恋人との関係が悪化することがあります。DVや虐待の増加も指摘されるように、ストレスは親密な関係にダメージを与えます。たとえば同棲している状態で自分の部屋が残っていれば、あるいは実家に戻れるのであれば、行き来をすることも今の状況では有効かもしれません。
 制限された中でどのように自由を回復し、生き生きした時間を持てるかを探してみてください。

4.大学生活ができないこと

 新入生は、大学での新しい生活を思い描きながら受験期を超えてきたことでしょう。在学生はこれまでどおりの生活が送れると思っていたでしょう。その生活がすっかり変わってしまいました。それは手にするはずであった未来の喪失です。このことが無力感や怒り、悲しみをもたらすことは想像に難くありません。
 これまでの友達と連絡を取り合って、つながりを維持することは、この状況に対処する1つの方法です。新入生はまだ仲間を持てないかもしれません。高校や予備校など、これまでのつきあいを続けることができれば、それも大切です。オンラインとはいえ、授業を通して新しいつながりができるかもしれません。それでも十分な大学生活とは言えないでしょうね。それはまったくその通りです。私たちも早く、いつもの大学が戻ってくることを願っています。思い描いた未来とは違うかもしれませんが、この難しい状況をくぐり抜けて出会える時を待っています。

5.オンライン授業の負担

 授業をオンラインで行うという試みは、どの大学にとっても初めての、そして突然のことです。教職員の側も、当然学生の側も、何も準備がないところからのスタートです。そのために、何が起きるか分からない、機器の設定がうまくできない、不具合にうまく対処できない、通信環境を整えなくてはいけない、といった問題が起こりえます。そうでなくともずっと光を発する画面を見ている、小さなスピーカーからの音を聞いているという状態は身体に負担のかかるものです。気付かなくとも疲労が蓄積し、頭が痛くなったり、肩や首が凝ったり、全身のだるさが出てくるかもしれません。
 蓄積した疲労を取り除くために、休憩時間を取ってください。身体を動かしたり、夜にゆっくり入浴する時間を取ることも有効かもしれません。食事は生活の基本です。手早く済ませずに、ゆっくり味わって、栄養を身体に取り込んでください。睡眠もまた、生活の基本です。規則正しい生活をして、十分な睡眠時間を確保してください。夜寝る前に明るい画面を見るのはやめましょう。食事や睡眠は、どうしても他の活動に追いやられがちですが、むしろ食事の時間と睡眠の時間を決めて、それに合わせて生活を整える方が、心と身体の疲れを予防できます。
 もしかすると教員の考え方によっては、通常のように90分の講義をすると集中力がもたないために、課題を出して講義視聴の時間を短くするパターンがあるかもしれません。その場合、課題が重なっていくことも考えられます。このような難しい状況ですので(たとえば、図書館を使うことにも制限があります)、課題を完璧に仕上げることよりも、できる範囲でこなすことに方向転換した方がいいかもしれません。分からないことや疑問なことがあれば、ため込んでしまわずに教員に尋ねてみましょう。教員は学生からの疑問や反応を歓迎するものです。こうしたやり取りはまた、大学生活の一部を取り返すことにもなるかもしれません。

6.経済的な困窮

 これだけ日常生活が制限されると、アルバイトや仕事などもできなくなることが考えられます。家族が経済的に困窮することもあるでしょう。また、授業のオンライン化に伴って、その費用負担を重く感じている学生がいるかもしれません。その結果、焦りや不安、怖さを経験することは十分に考えられます。
 経済的な支援がいくつか用意されています。以下の情報を参照してください。  分からないことがあれば、学生支援課に尋ねてみてください(在宅勤務が基本になっていますので、電話がつながりにくいかもしれません)。
  •  電話 052-789-2173

7.犯罪被害

 大きな災害が生じると、犯罪のリスクが高まるとも言われています。通常言われるような犯罪だけではなく、身近なところでの被害にも遭いやすくなるかもしれません。たとえば、宗教の勧誘(強引であったりしつこかったり断り切れないようなもの)、サークルへの勧誘に見せかけた反社会的活動への勧誘や詐欺、新聞や訪問販売の強引な勧誘、バイト先等でのいやがらせ、(元)恋人や知らない人からのストーカー被害、経済的困窮につけ込んだ風俗の斡旋や振り込め詐欺への加担、薬物使用への教唆や強要などです。
 これはあやしいとか危ないと感じたら、それまでの経緯が何であれ、警察や大学に相談をしてください。犯罪の被害に遭うことはあなたの責任ではありません。あなたが悪いのではなく、あなたは自分を守らなければなりません。安全が確保された後に心のケアが必要になることは当然ありますが、まずは身の安全を確保してください。

8.全般的なストレス反応

 こうした困難な状況で心身に負荷がかかることをストレスと言います。ストレスが持続すると、その他にもいろいろな問題が起きてきます。たとえば、以下のようなことです。
  • 気持ちの落ち込みが大きくなったり、増える
  • 何をするにもおっくうになる
  • イライラしやすく、口調がきつくなる
  • わけもなく急に泣きたくなる
  • 勉強しようとしても頭が回らなくなる
  • 講義に集中できなくなる
  • 猜疑心が強くなる
  • 昼夜逆転した生活になる
  • 睡眠時間が短くなったり、眠れなくなる
  • たばこやお酒の量が増える
  • 間食が増える
  • ゲームやネットの時間が長くなる
  • 家族や恋人との葛藤が強くなる
  • 誰彼構わず人と連絡を取りたくなる
 特に、もともと不安が強かったり、きまじめな性格の人、家族関係や恋愛関係に難しさを感じていた人、情報を整理したり計画を立ててこなすことの難しい人、もともと生活に余裕がない人、などはこうした長期間のストレスがより負担になることが考えられます。
 ストレスがたまっていると感じたら、以下のようなことを試してみてください。
  • ストレッチや軽い運動など身体を動かす
    (ヨガなども良いかもしれません)
  • 考えていることや思うことを書き出す
    (頭の中が整理されやすくなります)
  • 安心できる人と話をする
    (話して安心できるかどうかがポイントです)
  • うなくいかない悲しみを受容する
    (悲しみは認めることでやわらぎます)
  • 生活を規則正しいものにする
    (揺れる心に枠をつけてくれます)
  • 楽しいことをする
    (興奮ではなく落ち着くかが目安です)

9.問題を抱えたら

 名古屋大学には、学生生活を支えるための相談・支援の場として、学生支援センターが存在しています。活動の制限がされる中で、いつもどおりの相談・支援はできませんが、それでも今できる範囲での活動は行っています。たとえば、相談はオンラインや電話で行えます。交代制で教職員が待機しています。学生からの困りごとを集めて、必要な対応を考えています。
 今回の外出自粛と活動の制限は、長引きそうな気配です。誰にとっても未経験の事態が始まっています。心身の問題を感じたら、早めに相談をしてください。それがストレスをため込まない方法にもなります。思い描いた通りの未来ではないかもしれないけれども、一緒にこの困難な状況を生き延びていきましょう。
学生支援センター
総合受付
052-789-5805
月〜金 10:00-17:00

うちで踊ろう他

2020.5.2
 部屋の中で過ごすことが増え、人との関わりも、大学との関わりも薄れ、身体を動かさなくなると、少しずつ現実が遠ざかってしまいます。できる限りのやり方で心と身体を動かしましょう。
 歌うこと、踊ること、は古来より人が発展させてきた心と身体と世界をつなぐ結節点でした。今目の前で起きているのは当たり前にあると思っていた日常の喪失です。未来までが失われてしまわないように、明日の歌を歌いましょう。
星野源「うちで踊ろう

新型コロナウイルスに関連する心の健康について

 現在、新型コロナウイルスの感染や感染の拡大を遅らせるために,さまざまな行動の制限、社会的接触の制限が政府から求められています。このような非日常的で行動を制限される中で日々過ごすことは,心の健康に影響を及ぼす可能性があります。心理的なリスクを低減し心理的困難に対処する方法について精神医学および心理学からの知見を以下に紹介します。

|1|
緊急の状況下における心理的反応について

 何らかの隔離や社会的制限を受ける状況下では,心理的な反応(ストレス反応)として以下のようなことが起こる可能性があります。

1)
恐怖や不安感情の生起

 自分自身や家族が感染したり,他者に感染を広げたりすることに,不安を感じ,心配になります。また、今後の日々の生活物資(食料など)の確保や、学生生活などにも不安が生じ、心配するのは当然のことです。その結果、不眠、食欲低下、意欲低下、頭痛などの身体症状を呈することも自然な反応です。

2)
抑うつと倦怠

 大学生活、部活など日常生活が中断されることで、抑うつ感や意欲低下などが起こることも自然な反応です。また家の中で一人で過ごす時間が長くなると,孤独を感じることもあります。

3)
怒りやイライラ感、焦りなどの感情

 行動制限されることによって欲求不満状態に陥り、その結果、ささいなことで怒りやイライラの感情が生じ、身近な人に、その怒りやイライラの矛先を向けてしまうこともしばしばあり得ることです。

4)
差別されているという感情(スティグマ化)

 もしも、新型コロナウイルスに感染していたり,感染者と濃厚接触した場合、自分は他人から「嫌われている、避けられている」ということに過剰に反応し、その結果、自信喪失、対人関係の過剰な回避、抑うつなどが生じる可能性があります。

 上記のような反応は、こうした緊急事態においては誰にでも生じうる自然な反応であることを自覚することが第一に重要な対処法です。

|2|
心理的反応に対する対処法

 まずは、身体的な体調について本学における「自宅安静、受診の目安」にそって、身体的な体調管理を行ってください。(保健管理室:名古屋大学学生の皆様へ
 以下に、心理的反応に対する対処法を紹介します。

1)
信頼できる情報を獲得しましょう。

 新型コロナウイルスに関して信頼できるサイト  最新の情報を入手することは重要です。一方、ウイルスに関する信頼できないサイトからの報道に過剰に接すると、不安や恐怖感情が増幅する可能性があります。新型コロナウイルスとは無関係な日常活動の時間を意識して確保しましょう。趣味、習い事、読書、映画(音楽)鑑賞、なども良いでしょう。

2)
日々のルーティンを作り,それを守りましょう。

 慣れない隔離状況でも,普段のルーティンを維持することは,大人にとっても子どもにとっても,生活における秩序・目的意識を維持するのに役立ちます。学校に行くことができないとしても,学業,研究、運動などの日常的な活動を定期的に行うようにしましょう。必要に応じて健康的な娯楽も取り入れましょう。

3)
他者とのコミュニケーションや対人関係の機会を作りましょう。

 直接会って話をする機会は限られるかもしれませんが、電話やソーシャルメディアを使って,あなたを支えてくれる人たちとやりとりすることはできます。特に、不安や抑うつなどを感じている場合は,信頼できる相手に自分の気持ちを話してみることも大切です。安心して話せる知人、友人が身近に見つからない場合には、遠慮なく学生支援センターへご連絡ください。

4)
健康的な生活習慣をできるだけ維持しましょう。

 十分な睡眠、十分な食事に努め、体調が良い人は自宅で運動をしましょう。

5)
前向きな生活のためにリラクセーションなどストレス対処の方略を知っておきましょう。

 上述したストレス反応が自分に生じているのか、を自分自身で知り、何を不安に思っているのかを考え、現在、何ができて何ができないのか、かについて現実的客観的に考えることが大切です。そして、生じているストレス反応に対しては自分でできるリラクセーション、日頃から自分が使っている方法(趣味、運動、鑑賞など)や、一人でできるリラクセーションの方法を知ること(参考:日本心理臨床学会)は役に立ちます。
 このような非日常の事態において、以上のことを知識として知っていることは、あなたの心の健康に役に立つものとなります。この非日常の生活を乗り越えることができたとき、あなたの心はより健康でレジリエントな強さを身につけることができることと思います。
 一方で、こうした状況を一人で乗り越えることは大変なことでもあります。身近な知人、友人などと支えあって、コミュニケーションをとり、自分と周りの人々の安心と安全を確保するようにしてください。
 周りにそのような人が見つからない場合には、遠慮なく学生支援センターにご連絡ください。
 学生支援センターでは皆さんと一緒に考えてくれる頼もしい心の専門家がお待ちしています。

学生支援センター
電話:052-789-5805
Mail:総合受付

 「新型コロナウイルスに関連する心の健康について」文書に係る一部引用、参考元は以下となります。さらに詳細な情報を知りたい方は、ご覧ください。

誰でもどこでもできるストレス対処

10秒呼吸法でまず落ち着こう!
(数分間で落ち着きます)
□ 解除動作 □
 リラクセーションは意識のレベルを下げることもあるため、寝る前以外では以下のいずれかの解除動作を行ってください。
  • 深呼吸する
  • 強くこぶしを握ってパッと開く動作を2回(グッ、パー、グッ、パー)行う
  • 腕の曲げ伸ばしを2回行う
  • 伸びをして、首を軽く左右に回す